中古太陽光の取引が減速、直近3年は以前の43%に
FIT認定情報を突き合わせた結果、発電所の名義変更は直近3年で年率1.58%と、2019〜2023年の3.70%から4割超まで落ち込んでいた。一方で1件あたりの規模は大きくなっている。
太陽光発電所の売買は相対取引で、成約が公表されることはありません。ただし国が公表するFIT認定情報を毎月保存し、設備IDが同じまま発電事業者名が変わったケースを拾えば、所有者が交代した事実は把握できます。当社が2019年から蓄積したデータで、市場の温度感を確かめました。
名義変更は年率1.58%まで低下
母集団を同じ21都道府県に固定して2期間を比べると、名義変更の発生率は明確に下がっていました。
| 期間 | 追跡した設備 | 名義変更 | 年率 |
|---|---|---|---|
| 2019年4月 → 2023年8月(52ヶ月) | 154,384基 | 24,724基(16.0%) | 3.70% |
| 2023年8月 → 2026年8月(36ヶ月) | 177,186基 | 8,382基(4.7%) | 1.58% |
直近3年はそれ以前の43%の水準です。稼働状態で分けると、稼働中の設備が年1.57%、運転開始前が年2.38%でした。新規認定が細っているぶん、権利段階での転売が減っていることが読み取れます。
月あたりの発生量は数百件規模
全国47都道府県がそろった月で実測すると、名義変更は月あたり中央値308件でした。2022年から2023年にかけては月1,800件を超える月もあり、そこからは大きく減っています。ただし2026年4月には1,875件が集中しており、まとまった移転が起きると単月で跳ねる性質があります。
取引の過半は法人どうし
検出した名義変更を区分別に見ると、法人から法人への移転が56%を占めます。個人が関わる取引も相当数ありますが、個人・個人事業主の氏名は個人情報にあたるため、当社では区分のみを残して氏名は扱っていません。
「グループ内の移管」に注意が必要です。資産管理会社への移管など、所有者が実質的に変わっていない名義変更が一定数含まれます。社名の共通部分や電話番号の一致から判定し、集計からは除いています。
何を意味するか
取引件数が減っているということは、売り手を見つける難易度が上がっているということです。総当たりで当たっても当たりが薄くなります。一方で、過去に売却した事業者や保有を減らし始めた事業者は依然として存在し、そこを名指しできれば効率は落ちません。市場が縮むほど、誰が動いているかを知っていることの価値は上がります。
出典: 資源エネルギー庁 事業計画認定情報 公表用ウェブサイト。当社が保存してきた各月のデータを突き合わせて算出しています。 内容について国および資源エネルギー庁が保証するものではありません。 個人・個人事業主名義の設備は集計から除外しています。
この記事の元データをお渡しできます。
会員ページのログイン用リンクと月次レポート(PDF)を、フォーム送信後すぐにお送りします。無料期間中は一覧が上位10件に制限されます(有料プランでは全件)。
